テナントにおける原状回復の主な工事項目
- 11 5月, 2016
借りているテナントをさまざまな理由で退去する場合、借主の負担で原状回復工事が行われます。ここで重要なのが、「工事の範囲はどこまでか」ということです。当然のことながら工事には費用がかかることですので、原状回復の範囲と具体的な工事項目についてはしっかりと把握しておくことが大切です。
原状回復の主な工事項目
原状回復の主な工事項目は以下の通りです。詳しい工事内容は、入居時の契約によっても異なりますので事前にしっかり確認しておきましょう。
床部分
これまで使用していたタイルカーペットやプラスチックタイルなどを全て撤去します。スケルトン戻し(入居時の状態に戻す。室内が建物躯体のみで内装設備などがない状態)の場合にはそのままで問題ありませんが、そうでない場合には床の下地をきれいにしてから新しいものに張り替えなくてはいけません。
天井部分
スケルトン戻しの場合は、天井材を撤去して骨組みの状態に戻し、天井材を処分します。それ以外の場合は、天井のホコリや汚れをハケなどで落としてから塗装。天井にタバコのヤニや黒ずみなどがある場合には、1回の塗装ではきれいにならないこともあるため、その場合は2度塗りを行って仕上げておく必要があります。
壁部分
これまで使用してきたクロス(壁紙)を剥がし、パテなどを使って平らになるように下処理を行った後で新しいクロスを貼っていきます。スケルトン戻しの場合は、壁材を撤去、処分して骨組みの状態に戻します。
照明部分
蛍光灯などの管球(電球)を新しいものに交換します。スケルトン戻しの場合は照明器具の撤去、処分だけで問題ありません。
その他
入居後にテナント側で新たに設置したパーテーションやカウンター、デスクなどの備品は全て撤去します。入居時にあらかじめ設置されていたブラインドなどは、クリーニングに出すか、もしくは新品に交換します。
原状回復工事にかかる期間の目安
事務所や店舗の退去を考える際には、原状回復工事にかかる期間が重要になります。「引き渡し日までに原状回復を終える」のか、「引き渡し後に原状回復を始める」のかは、貸主側との契約内容によっても異なりますので、必ず事前に確認しておくことが大切です。
期間の目安としては、原状回復が「スケルトン戻し」の場合には、全ての内装を撤去するだけですので工事自体は、1週間から長くて2週間弱で完了する場合がほとんどでしょう。
ただし、契約によって、天井や壁、床などの張り替えが定められている場合や、入居時に壁を取り付けたり内装のつくりを変更したりしていた場合には、原状回復にかかる期間はさらに長くなっていくでしょう。
万が一、原状回復工事が長引いてしまい、期日に間に合わなかった場合には、工事が終わるまでの間の家賃を日割りで請求されてしまうこともありますので注意が必要です。予想外のトラブルが起きてしまって工事が長引いてしまう可能性も考慮し、できるだけ時間に余裕をもった退去計画を立てるようにしましょう。
上記を参考に、原状回復しなければならない主な工事項目については、事前にしっかりと把握しておくようにしましょう。