貸主、借主のどちらも得をする? 「居抜き物件」のメリット
- 11 5月, 2016
前のテナントが使っていた設備、天井や壁といった造作などを、次の借主がそのまま使うことができる「居抜き」は、テナント出店のトレンドとして近ごろ注目されている手法のひとつです。そこで今回は、居抜き物件を利用して開業することのメリットを詳しく解説していいきます。
居抜き物件とは
「居抜き物件」というのは、前のテナントが使用していた厨房やカウンターなどの設備、天井や壁といった内装などが、そのままの状態で残されている物件のことです。飲食店や美容院、病院などを対象とした物件でよく見かけます。
店内に残された厨房やエアコンなどの設備は、借主が買い取って所有権を譲渡してもらう場合と、所有権は貸主側が所有したまま無償もしくは有償で貸与してもらう場合とがあります。
最近の傾向としては、設備をはじめとする内部造作は、退去時に売却することで資金を得ることができるため、有償で買い取りをして所有権を獲得することを希望するケースが増えているようです。
居抜き物件のメリット
居抜き物件で出店する主なメリットは以下の3つです。
初期費用を大幅にコストカットできる
コンクリートや柱がむき出しの状態で貸し出される「スケルトン物件」は、壁、床、天井などの内装だけでなく、厨房やテーブルなどテナントに必要な設備を全てゼロから準備する必要があり、莫大な初期費用が必要になります。その点、居抜き物件であれば、これらの設備、内装をそのまま引き継ぐことができるため、大幅なコストカットが可能になるのです。開業資金に余裕がない場合などにはおすすめと言えるでしょう。
開業までの準備期間を短縮できる
スケルトン物件のようにゼロから内装を作り込む必要がないため、工事期間を大幅に短縮することが可能です。入居から開業まで短期間で進むことができる分、収入を得ることができますから、できるだけ早く開業したいと考えている人には最適でしょう。
同じ業種であれば集客しやすい
ラーメン店からラーメン店、美容院から美容院というように、同じ業種からの居抜きであれば、魅力的な店作りをすることで前のテナントの顧客がそのまま通ってくれる可能性もあります。
居抜き物件を契約するときに確認しておきたいこと
居抜き物件を契約するときには以下の内容を確認しておきましょう。
設備が壊れた場合
厨房や冷蔵庫、空調、照明器具など、もとからあった設備が壊れてしまった場合、貸主側と借主側のどちらが修理もしくは買換え費用を負担するのかを明確にしておきましょう。
原状回復の範囲
居抜き物件で借りたものの、退去時にはスケルトン戻しを指定しているケースも。設備や造作物の撤去、内部解体工事に莫大な費用がかかってしまうこともあるため、必ず退去時の原状回復の範囲を明確にしておきましょう。
前のテナントが退去した理由
なぜ前のテナントが退去したのか、その理由を必ず確認しておきます。店にとってマイナスなイメージの事柄が原因で退去した場合には、新しいテナントの集客に影響が出る場合もあるため、注意が必要です。
上記のように、居抜き物件にはさまざまなメリットがあります。開業の際にはぜひ居抜き物件を検討してみてはいかがでしょうか?